
しゃべりたくなるのはたいてい、夜。なのでこの記事も、いつか後悔して消してしまうでしょう。
どうも、川名です。
本当にすぐ春。
12月に東京夜光「世界の終わりで目をつむる」を終えてからの僕といえば、演出助手に勤しんでおりました。というか、いまもおります。
そういえば、昨年2月の下北ウェーブの何かの記事に、「演出助手を廃業し」と出ていた気がしないでもないでもない。とはいえ、演劇に関われるなら、それはそれでいいか、と思い始めている今日この頃です。薄情極まりない。あんたには意思というものがないのか。いやいや、それはそれ、これはこれです、ということじゃだめですか。きっと、血となり肉となっているでしょう。
その間、アイデアやイメージをノートに書き溜めて、落ち着いたら書き始めよう、落ち着いたら、、、気づいたら、今年に入ってから、セリフを一文字も書いてない。春がきてしまいました。でも言い訳がましいかもしれませんが、ためたぶんだけ濃くなるわけだからね、といいますか東京夜光始めてから、なるべく、じーっと待ってからセリフを書くことにしています。さてそろそろ。
で、携帯のメモも見返してみる。ノートは整理して書くけど、携帯はとっさにはっとして打つので、すっかり忘れてることが多く、その分、見返したときにもはっとする。見返してみた。
「終電で、満員電車で、ヘラヘラドアの外で待ってて、ドア閉まるギリギリで乗ってくるやつ、ドア閉まる時に蹴り落としたい」
はっとした。これは、いつ、どんな気持ちで書いたんだろう。己のうちに潜む憎悪に笑える。ターミナル駅から出発する前の、息がつまる終電車の中で、ヘラヘラ直前に乗ってきたやつの背中をにらみながらスマホに打ったに違いない。
こんなチリのような感情がひとひらずつ積み重なって作品になるんだろうから、一応消さないで取っておいてある。誰かにみられたら、これといって笑えもしないし、ただただ嫌な空気になるんだろうな。このチリはつもってるんだろうか、不安になる。
正直、チリが積もってる感覚はないです。費用対効果悪い。ささっとセリフが書けるならそれに越したことないだろうに。というか、ギュウギュウ詰めになるべく入りたくなくて、直前に僕たち寿司詰め状態を日頃の鬱憤を晴らすかのごとく押してきて、結果的に居心地のいい窓際をキープするのなら、せめてヘラヘラしないでくれ。すごい悲壮感漂ってたり、何が理由かわからないけどひたひたと涙を流していたら、まだ許せるかもしれない。まだ言ってる。
というような、チリをつもらせて、いやもしかしたらつもらせてるつもりでいるだけで、すぐ春になってしまい、きっとすぐ夏。
一日27時間ぐらいにしてくれ、
とまでは言わないから、せめてこの迫り来る不安が少しでも和らいだり、ちょっとのあいだ忘れられる催眠術かなにかかけてくれたらいいのに。
次回の東京夜光の公演のことも、そろそろお知らせできるはずです。
ではまた。
(川名)